痛みの正体とは?神経・脳・ホルモンから読み解く「痛みのメカニズム」と整体による改善アプローチ
- titangym2023
- 3月6日
- 読了時間: 7分
肩こりや腰痛、慢性的な身体の不調に悩んでいる方は多いですが、そもそも「痛み」とはどのようにして生まれるのでしょうか。
多くの方は「筋肉が硬いから痛い」「骨格が歪んでいるから痛い」と考えがちですが、実際の痛みはそれほど単純なものではありません。
痛みは
神経
脳
感情
ホルモン
炎症
身体の組織
などが複雑に関与して生まれる現象です。
今回は整体の視点から
痛みの種類
神経を通る痛みの伝達
脳による痛みのコントロール
整体によるアプローチ
について解説していきます。

痛みの本質
痛覚とは何か?
まず理解しておきたいのは、痛みは身体を守るための重要な防御システムであるということです。痛みは医学的には痛覚(nociception)と呼ばれます。
痛覚は身体に危険が加わったときに発生する感覚であり、次のような役割を持っています。
痛覚の主な役割
組織損傷を防ぐ
危険を知らせる
身体を保護する行動を促す
回復行動(安静・治癒)を促進する
例えば
熱いものに触れると手を引く
足をぶつけると無意識にかばう
これらはすべて痛覚による防御反応です。
つまり痛みは、身体を守るための生体の警報システムと言えます。
痛みには2つの側面がある
感覚的側面と情動的側面
痛みは単なる身体感覚ではなく、脳によって処理される体験です。
痛みは大きく次の2つの側面に分けられます。
痛みの側面 | 内容 |
感覚的側面(Sensory-discriminative) | 痛みの場所・強さ・種類を認識する |
情動的側面(Affective-emotional) | 痛みに対する感情や心理反応 |
感覚的側面
これは「どこが」「どのくらい痛いのか」を認識する感覚です。
例えば
腰がズキッと痛む
首の一点が強く痛む
膝を曲げると痛む
など、痛みの場所や強さを識別する感覚です。
情動的側面
もう一つは感情や心理に関係する痛みです。
例えば
痛みが怖い
不安になる
ストレスで痛みが強く感じる
といった心理的な反応です。
慢性的な痛みでは、この情動的側面の影響が非常に大きくなることが知られています。
つまり痛みとは「身体+脳+感情」が組み合わさった体験なのです。
痛みの3つのタイプ
痛みは原因によって大きく3つに分類されます。
痛みの種類 | 特徴 | 例 |
炎症性疼痛(侵害受容性疼痛) | 組織損傷や炎症による痛み | 捻挫・筋損傷 |
神経障害性疼痛 | 神経自体の障害による痛み | 坐骨神経痛 |
心因性疼痛 | 心理的要因による痛み | ストレスによる慢性痛 |
炎症性疼痛(侵害受容性疼痛)
筋肉・関節・靭帯などの組織が損傷すると炎症が起こります。
その際に
プロスタグランジン
ブラジキニン
サブスタンスP
などの炎症物質が放出され、痛覚受容器が刺激されることで痛みが発生します。
例
筋肉の炎症
捻挫
筋損傷
関節炎
急性の痛みの多くはこのタイプです。
神経障害性疼痛
神経自体が刺激されたり損傷すると起こる痛みです。
特徴は
電気が走るような痛み
しびれ
焼けるような痛み
などです。
例
坐骨神経痛
椎間板ヘルニア
神経圧迫
神経が過敏になると、通常は痛くない刺激でも痛みを感じることがあります。
心因性疼痛
心理的なストレスや不安などが原因となり、身体に痛みが生じる状態です。
例えば
強いストレス
不安
慢性的な精神的緊張
などが自律神経のバランスを崩し
筋肉の緊張
血流低下
疲労蓄積
を引き起こすことで痛みが生じることがあります。

痛みはどのように脳へ伝わるのか
上行性疼痛伝導路と一次痛・二次痛
身体で発生した痛みは、神経を通って脳へ伝えられます。この経路を上行性疼痛伝導路と呼びます。
基本的な流れは次の通りです。
痛覚受容器→末梢神経→脊髄後角→上行性神経路→視床→大脳皮質この経路によって、私たちは「どこが痛いのか」「どの程度痛いのか」を認識することができます。
しかし、痛みは1種類ではありません。
実は痛みには一次痛(fast pain) と 二次痛(slow pain)という2つの伝達システムがあります。
一次痛(First pain)
鋭く瞬間的な痛み
一次痛は
・鋭い・局在がはっきりしている・瞬間的に起こるという特徴があります。
例えば
・針で刺された瞬間・捻挫した瞬間の鋭い痛みなどです。
この痛みを伝える神経線維は「Aδ線維」です。
Aδ線維は
有髄神経
伝導速度:約5〜30m/s
と比較的伝達が速い神経です。
この情報は主に新脊髄視床路(neospinothalamic)を通って視床へ伝えられます。そのため痛みの場所を正確に認識することが可能です。
二次痛(Second pain)
鈍く広がる痛み
一次痛のあとに感じる
・ズーンとした痛み・広がる痛み・持続する痛み
これが二次痛です。
例
・打撲後のジワジワした痛み・筋肉痛・慢性的な肩こり
この痛みを伝えるのは「C線維」です。
C線維の特徴
無髄神経
伝導速度:約0.5〜2m/s
非常に遅い
この痛みは主に旧脊髄視床路(paleospinothalamic)を通り、
視床だけでなく
扁桃体
視床下部
辺縁系
などへも伝達されます。
そのため二次痛は
・不快感・情動・ストレス
などと強く結びつく特徴があります。
つまり
一次痛 → 危険を知らせる痛み
二次痛 → 情動やストレスと結びつく痛み
という違いがあります。

痛みだけではない
感覚を伝える神経伝導路
身体の感覚は痛みだけではありません。
代表的な感覚伝導路には次のようなものがあります。
後索‐内側毛帯路
この経路は
触覚
圧覚
振動覚
固有感覚(関節位置覚)
を伝えます。
流れは
受容器→後索→延髄→内側毛帯→視床→体性感覚野この経路はAβ線維(高速神経)を使うため、非常に速く情報が伝達されます。
実はこの経路は痛みを抑制する働きにも関わっています。
これがいわゆる「ゲートコントロール理論」です。
触ったり押したりする刺激が痛みを抑える理由はここにあります。
※ゲートコントロール理論(Gate Control Theory)とは、痛みの信号は脊髄で“調整(コントロール)されてから脳へ伝わるという考え方です。痛みは脊髄レベルでコントロールされているということです。
脳は痛みを抑えることもできる
下行性疼痛抑制系
実は脳には、痛みを抑制するシステムも存在します。
これを
下行性疼痛抑制系
と呼びます。
このシステムでは脳幹から
セロトニン
ノルアドレナリン
などの神経伝達物質が放出され、脊髄で痛み信号を抑制します。
つまり
システム | 役割 |
上行性伝導路 | 痛みを脳へ伝える |
下行性抑制系 | 痛みを抑制する |
という2つのシステムが存在します。
痛みと運動の深い関係
もう一つ重要なのが錐体路(皮質脊髄路)です。
これは
大脳運動野→脳幹→脊髄→筋肉という運動をコントロールする神経経路です。
痛みが強くなると
筋緊張が上がる
防御性収縮が起こる
可動域が低下する
などが起こります。
つまり
痛みは神経系を通して運動制御にも影響を与えるのです。
その結果
姿勢の崩れ
関節可動域の低下
筋スパズム
トリガーポイント形成
などが発生し、慢性的な痛みへとつながっていきます。
痛みとホルモンの関係
痛みにはホルモンも深く関与しています。
代表的なものは次の通りです。
ホルモン | 作用 |
エンドルフィン | 強い鎮痛作用 |
セロトニン | 痛み抑制・精神安定 |
コルチゾール | 炎症抑制 |
例えば運動や手技刺激により
エンドルフィン
が分泌されると、痛みが軽減することがあります。
痛みは複雑なシステムで生まれる
ここまでの内容をまとめると、痛みは次の要素が組み合わさって生まれます。
痛みを構成する要素
神経系
脳の処理
炎症反応
心理的要因
ホルモン
身体の組織状態
つまり痛みは身体だけの問題ではなく、神経系・脳・心理が統合された現象なのです。
整体施術が痛みに効果を持つ理由
整体では
筋肉
筋膜
関節
神経
などに対して手技療法を行います。
これにより
血流改善
筋緊張の緩和
神経刺激の調整
痛覚抑制機構の活性化
などが起こり、痛みの軽減につながると考えられています。
神田アクロ整体院のアプローチ
神田アクロ整体院では
トリガーポイント手技療法
筋膜アプローチ
関節モビリゼーション
姿勢改善トレーニング
神経系の再教育
などを組み合わせて施術を行います。
痛みの原因は一つではありません。
身体の状態を総合的に評価し、神経・筋肉・姿勢・動作を統合的に整えることで痛みの改善を目指します。





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